2024.01.14
997型のGT3を想う。
ある方が語った。997型GT3(以降997)は自分のサイズに合っているのだと‥ それはボディサイズだけの事では無いらしい。
パワー、マニュアル、デザイン、佇まい… 世代の乗り継いで出した結論。そう自身にしっくりくるモデルが、997だったそうだ。
とても羨ましい限りである。乗り比べて行き着くところに行った訳だから、行き着くところには997を心の底から愛車(パートナー)として所有されるであろう。
そんな話しを聞いてから、もっと997を知りたくなった。先代はヘッドライトのデザインで、色々と物議を呼んだが、997で往年の911らしいデザインに戻ったのである。
私が思うに997はポルシェがひたむきにスポーツカーに向き合った集大成なのでは無いかと思う。便利機能は最小限度で、電動格納ミラーやオートライトなんかも無い。
991型ではオートブリッピング機能が一部の車種には採用されたが、997にはそんなものは当然無い。GT3に関しては、クラッチが、かなりヘビーで渋滞時には苦行になる。
足廻りも991型のようにしなやかではなくハードで、街乗りには適さないと判断する人もいるだろう。
幸運にも、年末から年始にかけて、4台の997GT3と出会える機会があった。テストランをそれぞれしているが、振り返って見ると最新のポルシェには無い、人に寄り添ったドライブフィーリングだった。
それは、ある程度技量があれば楽しめるが、ポルシェが初めてでマニュアル車の経験が少ない人には、結構ハードルが高いかも知れない。
ただ、優しいだけ、便利なだけでは人間は勝手で、そうで無いものを時として求める。
997は、乗り手を選ぶかも知れないでも、それを克服した時に、心の奥底から湧き出る高揚感が芽生える911だと思う。911は各世代ごとにファンが存在する。997は誕生から20年経つ(当車両は16年)
今も色褪せない原因は、自分サイズを見つけたファンがいつまでも存在するからだと思う。