2024.12.08
ケイマンR(Type987.2)
987型ケイマンの集大成とも言える限定モデル。後にも先にもケイマンの後ろに”R”の称号は付くのは、このケイマンだけ。その”R”の称号を与えられた中身を見てみると意外な事実が分かる。まずはエンジンパフォーマンスだが、ケイマンSの3.4Lをベースにファインチューンと呼ぶべきプラス10psの330psにパワーアップにとどまっている。スペシャルモデル(限定)であれば、レギュラーモデルとは、一線を画すパワーアップが定石通りだが、意外にも控えめ。ボディ関連はどうか?通常モデルには無いアルミ製のドアパネルや、軽量タイプのカーボン製セミバケットシート、本来であればエアコンやオーディオまでオプション化されているので、そこまで徹底すればトータル55kgの軽量化となるが、そこまでストイックになれる個体は中々いないのが現状で、当車両もエアコンとオーディオシステムは装備している。足廻りに関しては、ボクスタースパイダー同様に専用のセッティングが施されておりPASMは省略されている。

こうして、文章だけを見るとスペシャルモデルとは言い難い変更点だが、これは実際に乗って見ないと分からない。乗り始めてまず気づいたのはマフラーサウンド。ケイマンSはスポーツエグゾースト非装着の場合混ざり毛のないクリアのフラット6サウンドのイメージがあったが、ケイマンRは明らかに違った。若干ノイジーで、アクセル開度によって排気音のみならず 野太い吸気音とアクセルを踏み込んだ時に明らかに大きくなったマフラーサウンドが、ケイマンRなんだとすぐに気づかせてくれる。10psアップにとどまったエンジン出力が、ここで納得。レギュラーモデルよりも明らかに主張したエンジンサウンドが使い切れるパフォーマンスと合間って、数字以上に軽快に思える。これは素晴らしい! 減速時のヒール&トゥも決まると楽しくて仕方がない。

そして、足廻りのチューニングが絶妙である。人によっては突き上げが多く、乗り心地が悪いとジャッジする人もいるかも知れないが、エンジンフィーリングとの相性はパーフェクトで、これほどエンジンとボディ(足廻りも含む)のバランスが取れたスポーツカーは無い言えるほど、素晴らしい仕上がりとなっている。


結論。机上の計算だけでは、ケイマンRを語れない事が試乗してみて分かった。
ケイマンRは、後世に残るポルシェの名車になると思う。




