2026.09.08
メディエイトカーズ メディア担当のSHUNAです。今回は在庫車両の紹介記事になります。
今回紹介するのは992前期型のカレラTです。

・カレラTというグレードのテーマ
カレラTのテーマは、ピュアに911の運転を楽しむこと。「T(ツーリング)」の名は1968年の911Tに由来します。
軽量ガラスの採用や遮音材の削減など、ベースグレードでは行われていない軽量化が随所に施されています。パワーはベースグレードと同じ385PS。つまり出力を上げるのではなく、走りに特化した装備は加えつつ、必要のないところは削っていくという方向性のグレードです。
搭載されるのは3.0L水平対向6気筒ツインターボ、385PS/450Nm。0-100km/h加速は4.5秒。カレラTには通常のカレラより減速比を最適化した専用ファイナルが与えられており、マニュアルならではのダイレクトな加速感を味わえます。

そして最大のポイントが、マニュアルトランスミッションを選択できること。日本において992型のマニュアルは、このカレラTかカレラGTS、GT3などに限られます。ベースグレードの385PSのエンジンをマニュアルで操れるのは、カレラTの特権です。
・エクステリア
ボディカラーはアイスグレーメタリック。オプションのスポーツデザイン フロントエプロンとサイドスカート、そしてLEDマトリックスヘッドライト(PDLS Plus含む)が装備されています。


カレラTの特徴として、サイドデカールやドアミラーはアゲートグレー。リアのモデルロゴエンブレムも同色で統一された、カレラT専用のコーディネートです。

ホイールはフロント20インチ、リア21インチのRSスパイダーデザインホイール(ハイグロスチタニウムグレー塗装)。

・インテリア
インテリアはSport-Texインテリアパッケージ。レザーを多用しながら黒を基調とした、高級感のある落ち着いた仕上がりです。ドアにも贅沢にレザーが貼られており、歴代オーナー様が丁寧に使われてきたおかげで蹴り跡もなく非常にきれいなコンディションです。


シートは人気の18way電動調節アダプティブスポーツシート(メモリーパッケージ付)。シートヒーターに加えベンチレーションも装備されています。リアシートが省かれていることも多いカレラTですが、こちらは装備されています。

そして最後のアナログタコメーターも前期型の特徴。992.2ではフルデジタルメーターに変更されたため、貴重な存在になっていくかもしれません。

BOSEサラウンドサウンドシステム、チルト/スライド式電動ガラスサンルーフも備わっています。

・走らせた印象
「ちょうどいいパワー」という価値
以前、992のカレラGTSのマニュアルもインプレッションさせてもらったのですが、やはりパワー感がかなり違います。
GTSはとてもいい車なのは間違いありません。ただ480PSというのはかなりの出力です。もう少し控えめでいい、使いきれるパワーで十分という方もいらっしゃると思います。そういう方にぴったりなのがこのカレラTです。
パワーがありすぎず、なさすぎず。使いきれるパワーをマニュアルで操れる。マニュアル好きの方にはかなり持ってこいの車だと思います。
乗っていて「怖いな」と思う瞬間がほとんどありません。エンジンの出力に対して車の許容範囲がすごく広い。それでいてマニュアルですので、走ることに集中して100%楽しめる。ポルシェの狙いがはっきり分かる車になっています。

街乗りでも我慢がいらない
PASMは10mm車高が下がるものが標準で付いていますが、街乗りに関しては不快感を覚えるようなコツコツした硬さは特にありません。もちろんスポーツカーらしいカチッとした乗り味ではあるものの、角のある入力が来るわけでもない。PASMをオフ状態にしてもらえれば、助手席に誰かを乗せて出かけるという用途でもネガティブなイメージなくお使いいただけると思います。
ワインディングで装備を解放する
スピードが上がって走りを楽しみたい場面では、スポーツモードやスポーツプラスに入れて、PASMをオンにしてエグゾーストもオンにする。走りの装備を解放してあげると、排気音も後ろからかなり聞こえてきます。
PASMをオンにして減衰を固めると少しコツコツした印象になり、ちょっとした段差も瞬時に収まるようになる。ロールも減って、軽いカレラTのボディとかっちりした足回りが本当に身軽な動きを実現しています。そこにマニュアルトランスミッションが加わって、操っている感がさらに増す。本当に楽しくピュアです。
リアアクスルステアリングが「ない」こと
カレラTの前期型ではリアアクスルステアリングがオプション設定で、こちらの個体には装着されていません(後期型からは標準装備になりました)。
僕自身、リアアクスル付きの992GTSに乗ったことがあり、それと比べるとハンドルを切ったときのリアの反応が全然違います。リアアクスルはリアにも少し舵角がついて、車全体で曲がっていく感覚がある。こちらはそれがないということで、どのような乗り味の違いがあるのかを探りながら乗っていました。
旋回性という部分で言えば、リアアクスルが付いていた方が車の向きが変わるのは早い。それはもちろんその通りだと思います。
ただ、911らしくフロントに荷重を乗せてハンドルを切っていくという動きに関しては、リアアクスルが付いていない方が本当にピュアな911の挙動を感じます。リアアクスル付きは、もうMRなんじゃないか?というくらい曲がる。あれもあれで僕はすごく好きで、テクノロジーの進化を感じて面白いんですけど、こちらはこちらで従来通りの911だなという動きになっています。
体が馴染んでいる動きというか、自分で車を曲げているという感覚に近いのはリアアクスルなしの方です。
カレラTというグレードには、このリアアクスルなしもそれはそれで楽しい要素と今回感じました。
ガラスルーフの使い方
この個体ならではのポイントとして、スライディングのガラスルーフが付いています。チルトで少し開けてあげると、排気音が頭から入ってくる。外の空気にも触れながら排気音も入れながらという楽しみ方ができるのは、すごくいいポイントです。

バルブコントローラーの効果
カーグラフィック製のバルブコントローラーが取り付けられています。
992のバルブ制御は、スポーツエグゾーストをオンにしていても100%開いてはいません。かなり緻密に制御されていて、低回転ではバルブがあまり開いていなかったりする。それを常時100%開放できるのがバルブコントローラーです。
992世代はこの恩恵が大きく開けた瞬間、変わります。かなり野太い音が後ろからしてきます。
音量自体も上がりますので、静かに乗りたいときはスポーツエグゾーストをオフ、少し楽しく乗りたいときはスポーツエグゾーストをオン、人のいないところでがっつり走りを楽しむぞというときにバルブコントローラーを開ける。サウンドの選択肢が1つ増えるという考えで付けていただくと、かなり満足度の高いアイテムだと思います。
※バルブコントローラーの効果は紹介動画でサウンド比較しています。
・ドライバーズマシン


改めて色々と触れてみて、本当にドライバーを楽しませてくれる、車を操る楽しさを教えてくれる車だなと感じることができました。
近年の車は豪華な装備が追加される反面、車両重量が増してしまう傾向があります。カレラTは走りの装備はしっかりありながら、軽量化にもかなり手を入れている。その恩恵があって、この操る楽しさが生まれているのだと思います。
走りの面はもちろんですが、LEDマトリックスヘッドライト、18way電動シート、シートベンチレーション、スライディングガラスルーフなど、走りに直結しない部分の装備も充実しています。走りの楽しさが土台にありつつ、様々なオプション装備でドライブの質が上がる。非常にバランスの整った車です。
車両紹介・インプレッション動画も公開していますのでぜひご覧ください!
バルブコントローラーの効果も収録してあります。